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勉強という特権

  • 執筆者の写真: Avalon
    Avalon
  • 19 時間前
  • 読了時間: 3分

3月になり、生徒の入れ替わりが激しくなる時期になりました。


基本的に、塾生の入退塾に過度な関心を払うことはありません。

とりわけ学校勤務を始めてからは、その傾向は一層強まりました。


半ば義務教育ともいえる高等学校でさえ毎年一定数の転学者が出ます。

ましてや、何の拘束もない私塾、しかもネームバリューのある大手でもない個人塾に通い続けることは、ある意味で奇跡に近いことだと考えているからです。


ただ、最近いくつか気になる退塾があり、少し思うところがあって筆をとりました。


おそらく保護者の方は、生徒の


「丁寧に“指導”してくれない」

「ちゃんと“授業”をしてくれない」


という言葉をそのまま受け止め「それなら通う意味がない」と判断されたのだろうと推察します。


生徒の一方的な言い分を鵜呑みにした、同様の退塾が増えているという話は、他塾の先生方からも耳にします。


当方としては、日々可能な限り声をかけ、必要だと判断した学習法や課題を提案しています。各種検定の受検や勉強会への参加も促しています。


しかし、それら一つ一つについて


「今日はこう指導しました」


「このような提案をしました」


と証明するための報告書を逐一作成することはしていません。


言い訳のためだけの空疎な面談もしません。


その時間があるなら、学術的・専門的知見を深めること、指導力を高めることに使いたいと考えているからです。


生徒の学力状況を踏まえ、その時点で最も必要と思われる方法を提示します。

ただし、強く拒まれた場合に無理に追いかけることはありません。


  • 漢字・英単語の書き取りだけを繰り返す。

  • 教科書を眺めているだけで満足する。


それを「勉強」と呼ぶのであれば、それもまた本人の選択です。


私は、勉強とは時間と経済的余裕を与えられた者の特権だと思っています。

それを自ら手放すのであれば、そこまでです。


実際、社会に出てから


「もっと学生時代に勉強しておけばよかった」


と語る大人は少なくありません。

しかしそのときには、時間も余裕も失われていることが多いのです。


結局、勉強するのは本人です。


  1. 問題を解く。

  2. 間違いを直す。

  3. 分からないところを聞く。


地味で、退屈で、しかし確実なこの積み重ね以外に、学力を伸ばす方法はありません。


それにもかかわらず、多くの生徒が同じレベルの友達と一緒にスマートフォン片手に「あれがいい」「これがいい」と目移りし、

より楽な方法、あるいは“魔法”を探し求めてさまよいます。


  • この参考書からあの参考書へ。

  • この塾からあの塾へ。

  • この予備校がだめなら、あのアプリへ。


本質は変わらないのに、手段だけを替え続ける。正直に言えば、滑稽にすら見えることがあります。


自称進の諸君。君たちが「もっと良い環境」を探している間に、都市部の進学校の生徒たちは、今日も解き続けています。


標準問題精講を。

フォーカス・ゴールドを。

「大学への数学」を。


今日も覚え続けています。


英単語を。

古文単語を。

一問一答を。


特別なことはしていません。ただ、やるべきことをやっているだけです。


私は、高みを目指そうとする生徒、何とか現状を維持しようと努力している生徒に少しでも多くの時間を使いたい。


やる気が芽生え始めた生徒に力を注ぎたい。


もちろん月謝を頂いている以上、何もしないことはありません。いつの日かやる気を出してくれるだろうと信じて、声はかけ続けます。


しかし時間は有限です。


  • 努力している生徒

  • 努力しなければならないと自覚している生徒

  • 努力したいと思い始めた生徒


そのために、私は自分のリソースを使います。


それが、偽らざる本音です。


ではではまた。

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