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英語の「仮定法」と古文の「反実仮想」


中学英語の教科書が改訂され、以前は高校で教えられていた仮定法が中学3年生の内容に含まれることになりました。


仮定法とは、話し手が現実とは異なる状況をいろいろと妄想して、それについてあれこれ思いを巡らせる時に用いる口調のことで、後に高校古文で習う反実仮想と本質的には同じものになります。




◇   ◇   ◇



【古文】


世の中に たえて桜の なかりせば

春の心は のどけからまし




【口語】


この世の中に、全く桜というものがなかったなら

春の(人の)心はのどかだっただろうに




【英語】


If it were not for cherry blossoms in this world,

people's minds would be peaceful in spring.




◇   ◇   ◇



英語の仮定法を正しく理論的に説明する為には、言語学における「法(moodまたはmode)」という概念を避けて通れません。


ここで言う「法」とは、誤解を恐れず一言で表すと、


発話者が表現対象をどのくらい事実だと考えているか


ということです。



(仮定法の「法」は方法という意味では決してありません、念のため。)



たとえば「人の心はのどかである」という文章があったとします。


この文章を「人の心はのどかだったであろうに」と変更すると、如何でしょうか?




である ⇒ だったであろうにとするだけで、実際には


本当はのどかではないと(発話者である)私は思っている!


のように、ニュアンスが大きく変わってしまうのです(現実との乖離≒反事実的)



古文・英語でも全く同じことが言えます。


文章の事実関係を、発話者が意図するニュアンスに変更する役割を果たすものは法助動詞と呼ばれますが、たとえば上の和歌の場合、「まし」・"would"がそれぞれ法助動詞となっています。


(記事がメチャクチャ長くなってしまうので、助動詞の活用や用法についてはこれ以上ここでは触れません)



◇   ◇   ◇



「法」の概念自体は、文章構造を決定する他の2概念「相」「態」と同様、本来は大学で教わる発展的内容だと思います。


しかしながら、全ての文章に適用される普遍的なルールであることを鑑み、尾道グローカルラボにおいては、中学3年、高校2年の英語の授業において敢えて詳しく(且つできる限り分かりやすく)説明しています。





ではでは今日はこの辺で。





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