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  • 執筆者の写真Avalon

英作文の書き方のコツ①


ある国公立大学で5年ほど前に出された英作文の問題です:



「英語が話されている国に住めば英語ができるようになる」と思っている人が意外に多いのだが、外国語習得はそんなに容易に、そして首尾よく達成できるものではない。英語を用いて話さなければ、会話能力は身につかない。確かに、海外研修では英語を聞いたり、話したりする機会は増えるが、何が話されているのか、何が書かれているのかを理解するように努力しなければ、「できる」ようにはならない。




 


試しに高校2年生の生徒達に書いてもらったところ、こんな感じでした。


解答例1

Currently, we increase opportunity that listen or speak in English but try to understand what is spoken and written or we can't understand.


解答例2

It is true that there are many opportunity which listening or speaking English in overseas treaning(ママ), but if they try to understand that what is written or what is spoken, they couldn't.


解答例3

Surely, we increase the chance which hearing English and speaking it in overseas training, if we don't try to understand what we are talked or what we are written, we can't do it.



 


【解説】


今回の問題のように「確かに~であるが、・・・だ。」系の文章は、解答例2のように

It is true that  ~ ,  but  ・・・


の構文を使うと文章の組み立てがしやすいと思います。


解答例3のsurelyですが、これはこれで良いとは思いますが、surelyの後ろのカンマはない方が良いように思います。


「海外研修」はoverseas trainingまたはtraining in a foreign countryとでもすると良いでしょう。


また「海外研修では」の「では」は、in(において)かthrough(を通して)を使うと良いでしょう。


「英語を聞いたり、話したりする機会は増える」という表現は、「(あなたは)より多くの英語を聞いたり、話したりする機会を持つことができる」と意訳することによって


You will be able to have more chances(opportunities) to listen to or speak in English


とすると簡単に書けるのではないでしょうか?



解答例では3人ともopportunityやchanceを先行詞として関係代名詞節で繋げようとしていますが、残念ながらいずれも文法的に正しく書けていません。


関係代名詞で繋げる位であればいっそのこと、


we may increase opportunities of listening to or speaking in English through overseas training


のようにof + V-ingの形にすれば良いのではないでしょうか?



「何が話されているのか、何が書かれているのかを理解する」は解答例1のようにunderstand what is spoken or what is writtenで良いと思います。


解答例3は受動態にしていますが、これでは「私達が」話されたり書かれたりすることになってしまいますので、意味が通りません。



また、「何が書かれているのかを理解するように努力しなければ、「できる」ようにはならない。」のくだりですが、~なければ・・・ないというような文章の時にはunlessという接続詞が便利です。もちろん解答例2や3のようにif notを使っても間違いではありません。


「努力する」はmake an effort、strive、endeavorなどが思い浮かぶと思いますが、この場合はどれでも構わないと思います。四苦八苦して懸命に努力しているニュアンスであればstruggleなども良いでしょう。


解答例では3人ともtryを使っていますが、確かにtryにも努力するという意味があるので絶対ダメとは言いませんが、tryの持つ「ちょっと試しにやってみる」というニュアンスが、外国語習得という大きな壁に立ち向かう時に用いる動詞としてはやや軽いような気がします。



「できるようになる」については、下線部中に「何が」できるようになるのかが書かれていませんので、これは前の文脈から補う必要があります。この場合では「英語が」できるようになる、ということだと思いますので、master Englishと書くべきでしょう。


直訳的にwe can do itと書くと、itが明確ではない為に、意味が通らなくなると思います。


ここまでの内容を踏まえて、私なりに書いてみました:


確かに、海外研修では英語を聞いたり、話したりする機会は増えるが、何が話されているのか、何が書かれているのかを理解するように努力しなければ、「できる」ようにはならない。


It is true that we may be able to have more chances to listen to or speak in English by taking part in an overseas training course, but we will not be able to master the language unless we struggle to understand what is spoken or what is written.


あえてby taking part inと書いたのは、それ以前の日本語に海外研修という言葉がなかったので、「海外研修に参加することによって」という説明があった方が読み手が理解しやすいと思ったからです。



如何でしょうか?


それほど難しい単語や文法は使っていないと思います。


英作文は、自分の知っている単語や構文を組み合わせて、できるだけシンプルに書くことが重要です。




今回は英作文の解説ということで試しに書いてみましたが、好評であれば第二弾以降もまた不定期で更新していきたいと思います。



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