結論から言うと、子供にとってのスマホは害悪でしかないので、基本的に"ナシ"です。
Why I Don't Use A Smart Phone | Ann Makosinski | TEDxTeen
(字幕あり)私がスマホを使わない理由
スマホが"ナシ"な理由は正直いくらでも言えるのですが、今回は3点に絞って、できるだけ簡潔に書きます:
理由1 健康に良くない
そのままです。
スクリーンから発せられるブルーライトはもちろんですが、あれほど小さな文字を悪い姿勢で見続けたら、間違いなく目が悪くなりますし、首や肩にも悪影響が出るであろうことは、医者でなくとも容易に想像できるでしょう。
理由2 頭が悪くなる
かなり直接的な表現で恐縮なのですが、実際そうなのでオブラートに包まずに書きました。
近年発表された研究によると、「スマホの利用時間」と「頭のよさ」は反比例するそうです。
使えば使うほど頭が悪くなるデバイスの名前が "スマート" フォンとは、なんとも皮肉な話です。
また別の研究では、複数の被験者に難易度の高い課題をやらせてみたところ、知性の高い人(知性の定義があいまいですが)のほうが、スマホ検索には頼らず、自らの思考力を使って解決しようとする傾向があることが判明しました。
これは考えてみれば当たり前の話で、知性の高い人のほうが知識も多く持っておりますから、検索せずとも自分の頭で考える土台が備わっている、ということでしょう。
私(が知性が高いかどうかはさておき)自身、10年くらい前?からスマホを使っていますが、以前よりも物事を深く考えず、すぐに検索に頼るようになってしまったという自覚があります。
我ながら非常に良くない傾向だと思います。
大人の私ですらそうなのです。
これが、生まれた時からスマホが存在している世代にとってはどうでしょうか?
どんな疑問にも直ちに答えを与えてくれる便利なツールが目の前にあれば、それに飛びつくのは極めて自然なことだと思います。
その結果、知識や情報はすべてスマホ頼み、検索して出てきた情報を自分で再検証することもなくただただ鵜呑みにしていまうような、とんでもなく思考の浅い人間が育ってしまわないでしょうか?
私はそのことがとても心配です。
理由3 集中力が低下する
LINE、インスタグラム、TikTokなど、子供の多く(しばしば大人も)が熱中するアプリには、定期的にそのアプリを開きたくなるような、いわゆる「アプリ中毒」になる仕掛けが組み込まれています。
カバンの中に入れているスマホのビープ音が鳴った時、あなたはどのような気持ちになるでしょうか?
すぐにスマホを開いて確認したくならないでしょうか?
ビープ音の正体は、ラインメッセージかも知れませんし、インスタに上げた写真に対する「いいね」かも知れません。
仕事中または勉強中にも関わらず、ビープ音が鳴るたびにスマホを見てしまう癖がつきはじめている人は要注意です。
なぜなら、この癖がさらに進行していくと、たとえビープ音が鳴らずとも、用もなく定期的にスマホを開いて確認するようになってしまうからです。
常に「誰かがメッセージを送ってくれていないか?」「誰かが自分の投稿した写真に"いいね"をしてくれていないか」が気になってしまい、作業に集中できないのです。
ここレベルになると、立派な「スマホ中毒者」であり、何をやっていても物事に集中できない人間が誕生してしまいます。
スマホを定期的に開きたくなる衝動、これは心理学的には報酬予測行動とも呼ばれています。
報酬予測行動は、動物本来に備わる生存本能と深く結びついている為、残念ながら理性や意志の力でこれに打ち勝つことは難しいのです。
解決策としては、
物理的にスマホそのものの所有を一旦やめる(やめさせる) or
スマホを使える時間帯を限定し、それ以外の時間帯はスマホを使うことを禁止する
以外にはないと思います。
勉強中についついスマホに手が伸びてしまう子供のメンタリティは、体に悪いと分かっていながらも麻薬が辞められない中毒者のそれと同じであり、時として治療を要する程深刻な状況であると認識すべきです。
・・・ 以上が子供が"本当は"スマホを使うべきでない主たる理由になります。
この他にも、ネットでのいじめや、子供を狙った犯罪に巻き込まれるリスクなど諸々ありますが、長くなるのでもう書きません。
こういうことを言うと「いやいや、スマホを持つメリットも沢山あるだろう!」と主張する人も世の中にはいらっしゃいます。
実際、節度を守って使えばスマホは非常に便利なデバイスであることは間違いありませんので、私もスマホの有用性を100%否定はしません。
しかしながら、前述したとおり、こと子供のスマホの無制限使用に関しては、あまりにもデメリットが大きすぎるのでは?と私は考えます。
これまで当塾においては、保護者との連絡手段になっているという事情もあり、中高生の塾内でのスマホ使用に関しては大きな制限をかけてはきませんでした。
(自習室でゲームをしていて退塾勧告された人はいます)
しかしながら、水は低きに流れ、人は易きに流れるとはよく言ったもので、黙認されていることをいいことに、塾での学習時間中についついスマホに手が伸びている生徒をチラホラ目にします。
中には、「もう既に依存症になりかけているのでは?」というような生徒も複数名いらっしゃることから、少なくともスマホの塾内利用については、何らかのルールを設けるべき時期に来ているような気がします。
丁度もうすぐ新学期が始まりますので、これを機に新しいルール作りをしていこうと思います。
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